Googleのアルゴリズムが評価しているもの

検索順位を調査できるSEOツールを使っている方は、日頃から特定のキーワードで表示される順位をモニタリングしていることでしょう。そのなかで、1つや2つ程度の順位変動は日常茶飯事だということに気付くはずです。

その理由として考えられるのは、既存のページの評価が相対的に上がった(下がった)、評価の高い新規のページが公開されたの2つ。このうち、後者についてはコンテンツ分析を行う必要がありますが、前者の多くは検索エンジンのアルゴリズムアップデートが原因です。

多くの方が「検索エンジンのアルゴリズム」の存在を知っていますが、そもそもこのアルゴリズムなるものは、一体何を以って検索順位を決めているのでしょうか。

アルゴリズムで評価しているものを簡単に理解する

検索エンジン最大手Googleのアルゴリズムの項目として200以上あると考えられていますが、正確なところを私達が知る術はありません。複数のSEO専門家がその要素を分析し、「こうではないか」と考えているものサイトに掲載しています(例:BACKLINKOSearch Engine Journal)。

とはいえ、SEOの専門家のように詳細まで知らなくても、評価しているポイントを簡単に理解すれば、「どこをどう対策すべきか」という答えを導くには十分です。そこで、順位を決定するアルゴリズムについて、4つの評価軸にわけて考えてみましょう。なお、日本で利用されている検索エンジンの技術は90%以上をGoogleが占めています(Yahoo!の検索技術にもGoogleが用いられているため)ので、以下文中の「検索エンジン」という言葉は基本的に「Google」を指しています。

1. コンテンツ

参考にされる要素の例。

  • コンテンツのオリジナリティ
  • 内部・外部リンクの質
  • 有益・高品質なコンテンツ

ブラックハット的なSEOがスパムとされるようになり、「コンテンツによるSEOが大切」と言われるようになりましたが、単にコンテンツを量産するだけでは検索アルゴリズムから良い評価を得ることはできません。有益で信頼性のあるコンテンツを作ることで、はじめて良い評価を得られます。

「良い評価」を得られるコンテンツの作り方を一概にいうことはできませんが、論文の作り方を想像するとわかりやすいかもしれません。論文を作成する上で大切なことは「新規性」「信頼に足る先行研究」「ひとつのことを解決する」などがあります。これらを、コンテンツの作り方に置き換えてみましょう。

    • 新規性:他サイトと似通った内容にするのではなく、あなたのコンテンツの読者が新しい気付きを得られる内容にする。コンテンツが被ってしまわないよう、既存情報について分析することも大切です。
    • 信頼に足る先行研究:既存情報をまとめただけのサイトではなく、しっかりとした調査を行っているサイトや本を情報源とする。怪しげな情報を論文の参考文献に用いるのは相応しくないように、あなたが作成するコンテンツも信頼できる情報を用いてください。
  • ひとつのことを解決する:検索エンジンから訪れた人は、検索キーワードで掲げた「問題」に対する「解決策」を期待しています。よって、あなたがコンテンツで「解決」する「問題」を明確にしてください。

このような作り方を、(読者が読みやすい形である)ウェブの文章の書き方に落とし込みます。ウェブの文章は、本のような紙媒体とは異なっており、見出しをつけた短めの文章や箇条書きといった工夫が必要です。ウェブ上で読みやすい文章の書き方については、Nielsen Norman Groupの「How Users Read on the Web」が詳しいので、参考にしてみてください。

なお、Googleの「ウェブマスター向けガイドライン」にも記載されていますが、コンテンツ(ひいてはウェブサイト)は検索エンジンではなく、読む人に向けて作成されるべきものです。コンテンツ作成時には必要以上に検索エンジンを意識せず、理解しやすいコンテンツを作成しましょう。

2. サイトの仕組み

参考にされる要素の例。

  • サイトの構造
  • サイトの読み込み速度
  • スパム行為の有無

サイトを構成する要素は、コンテンツだけではありません。コンテンツを乗せる“器”の出来も問われます。

例えば、どんなに良いコンテンツがあったとしても、ウェブサイトがなかなか表示されないのでは、訪問者が離脱する可能性は高まります。ページを開こうとして、ページの読み込みに時間がかかると、検索者にストレスが溜まります。そのストレスを回避するために、Googleはページの読み込み速度を検索アルゴリズムの評価要素のひとつに加えています。

このように「ユーザー側の使いやすさ」が重要である一方、「検索エンジン側の評価のしやすさ」も重要なサイトの仕組みです。これは検索エンジンのクローラーがサイトをインデックスしやすくする作りはもちろんのこと、画像のAlt属性に説明文を入れたり、サイトマップXMLを配置してウェブサイト全体の構造を理解しやすくするといった配慮があげられます。これら検索エンジン側への配慮については、Search Consoleや無料のSEO診断ツールで調べることができるので、必ず一度は試してみてください。

しかし、サイトの仕組みで最も見るべきは、ユーザーのニーズです。分かりやすいように一例をあげると、昨年、モバイルフレンドリーアップデートが行われました。これは、スマートフォン利用者が検索を行った際に、スマートフォンに最適化されたページを検索結果に表示しやすくするというものです。このアップデートの背景には、スマートフォンを利用して検索を行う人の増加と、スマートフォンで見たときに最適化されていないページは好まれないという2点が考えられます。要するに「スマートフォン利用者は、スマートフォンに最適化されたページを求めている」という、世間のニーズに合ったアップデートを行ったわけです。

このように、サイトの仕組みに関するアルゴリズムの情報は、検索者がウェブサイトに求めていることを理解するのに役立ちます。この内容からウェブサイトが外れている場合は、「利用者が使いにくいウェブサイト」となっている可能性があるので、サイトの仕組みを修正する必要があるでしょう。

3. サイトに対する反応

参考にされる要素の例。

  • オーソリティの高いサイトからの被リンク
  • 被リンク先のアンカーテキスト
  • ソーシャルシグナル

Googleが行うページの評価付けにおいて、ページ間のリンクは大事な要素です。「Google が掲げる 10の事実」には、以下のように書かれています。

4. ウェブ上の民主主義は機能します。

Google 検索が機能するのは、どのサイトのコンテンツが重要かを判断するうえで、膨大なユーザーがウェブサイトに張ったリンクを基準としているからです。Google では、200 以上の要素と、PageRank™ アルゴリズムをはじめとするさまざまな技術を使用して、各ウェブページの重要性を評価しています。PageRank のアルゴリズムでは、ページ間のリンクを「投票」と解釈し、どのサイトが他のページから最高の情報源として投票されているかを分析します。この手法なら、新しいサイトが増えるたびに情報源と投票数が増えるため、ウェブが拡大するにつれて効果も高まります。また Google では、多くのプログラマーの力の結集によって技術革新が進むオープンソース ソフトウェア開発にも力を入れています。

要するに、被リンクはそのページ(サイト)への評価であり、評価が高いページ(≒リンクが多く貼られているページ)は検索結果の上位に表示されやすいということです。しかし、これを逆手にとって、情報の乏しいサイトを多く作成し、そこからリンクを貼る業者がいました。業者に依頼し、こうした多くのサイトからリンクを貼ると、評価が高いページと認識されてしまう可能性があります。Googleの意図からすれば、業者を介さず多くのリンクを集めたページが上位に表示されるのが望ましい形です。ゆえに、現在では、このような業者に依頼し、リンクを獲得したウェブサイトはスパムとして処理されるようになりました。

現在でもリンクはGoogleが評価付けする上で、重要な評価軸のひとつとして活用されています。ただし上記のような状況を鑑みて、質より量的な面があった当時と比べると、被リンクの質が非常に重要視されるようになりました。これはつまり、量産された質の低いページからのリンクを得たページよりも、しっかり作りこまれたページからのリンクを得たページの方が、良いコンテンツの可能性が高いという論法です。あなたのページがどのようなサイトからリンクを貼られているか、Search Consoleなどを用いて調べてみてはいかがでしょうか。

また、最近ではソーシャルメディアでのアクション(ソーシャルシグナル)も検索結果に影響を及ぼしていると考えている専門家もいます(ただし、Googleは特に使用していないと否定しています)。ただ、どちらにしてもソーシャルメディアは、ブランドとユーザーが直接交流できる場なので、活用方法を考えた方がよいでしょう。

4. 検索者の情報

参考にされる要素の例。

  • 検索者の検索履歴
  • 検索者の現在地
  • Google+でのつながり

いわゆる「パーソナライズド検索」と呼ばれるもので、検索を行った人の情報を参考に、「検索者が求めるであろう情報」を上位に表示しています。

特に「天気」や「飲食店」など、ローカルな要素が大きいものはこの影響を受けやすい傾向にあります。例えば、これを読んでいる方の地域は、人によって異なると思いますが、「天気」と調べると、あなたが今いる地域の天気が表示されるでしょう。これは、あなたの現在地情報(主にIPアドレスやGPS情報)を元に、表示する場所を切り替えているためです。

また、ローカルな情報以外にも、「ひいきにしているサイト」や「過去に調べたキーワード」などの検索履歴も要素に加えられています。これは要するに、検索者がよく見るサイトは上位に表示されやすい、ということ。この点を理解していないと、重要なキーワードを検索して、自サイトが一番上に表示されたときに、「他の人から見たときも一番上に表示される」と勘違いしてしまうこともあります。検索順位を確認したい場合は、Search ConsoleやSEOツール、主要ブラウザにデフォルト搭載されているシークレットモードを使うようにしましょう。

他にも、日本の利用者は少ないですが、Google+上でつながりのある人の投稿や、シェアされたウェブページが表示されることもあります。

最後に

検索エンジンで上位に表示されるサイト=最も優れているサイトとは必ずしも言えませんが、ウェブサイトを運営する上で検索エンジンからの集客は無視できません。ウェブサイトを活用して集客を行いたいという方は、「評価されるポイント」を理解し、ウェブサイト運営を心がけてみてください。

(Image by Peggy_Marco)

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