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ソーシャルメディアプラットフォーム上で潜在的価値を顕在化するActualized Marketingとは何か?その2

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ソーシャルメディアプラットフォームをいかにして自社のマーケティング活動に取り込むか?ハイベロシティが提唱する潜在的価値を顕在化するActualized Marketingメソッドの続き

前回ソーシャルメディアにおけるハイベロシティが提唱するマーケティングメソッド「Actualized Marketingの概要」を説明した。人間視点で物事を考えていくことが再度見直されている中で、このメソッドで企業のマーケティング活動を再考することは有効ではないかと考えている。今回はさらに我々を取り巻く環境について考察していきたいと思う。キーワードは「流動化」だ。「潜在的価値の顕在化」を有効に活用することを提示している理由は、まさに我々を取り巻く環境の流動化にある。

「Actualized Marketingの概要」

IT業界の流動化

2012年9月、現段階における我々を取り巻く環境はどのようなものなのか。端的に言えば、非常に複雑だ。ユーザーにとってはシンプルなものに見えても、企業にとってはこれがまた非常に困難な状況を生んでいるのである。

インターネットサービスはもはや「媒体(メディア)」に留まらない。どこまでがインターネットサービスなのだろうか。例えば、どこからがキャリアが行うべきサービスで、どこからがインターネットサービス事業者またはオーバーザトップサービスプロバイダー(Over-The-Top Service provider)が行うべきサービスなのか判断をすることが難しい状況になってきた。この境界線は非常に微妙だ。

このインターネットを取り巻く流動化現象はサーバー環境、ネットワーク環境でも激しくおこっている。一昔前、データ管理といえば指定したデータセンターで堅牢に守られていると錯覚さえ起こっていたのではないか。データセンターはクラウド化を進めている。ネットワークはSoftware-Defined Network (SDN)というコンセプトおよび、それを実現する技術の一つである、OpenFlowに注目している。足元ではすでにバーチャライゼーションが起こっている。複雑故に整理された役割と既得権益が一瞬で崩壊し、IT企業は次のビジネスモデルを瞬時に構築しなければならない。

この現象は業界再編という枠組みに留まらない。インターネットサービス事業者は他業種のIT化の遅れを利用し、事業領域を拡大。広告業界の再編、メディア物販の再編、デジタルとして取り扱えるものはすべてこの波に飲み込まれている。

「ストーリー」のデジタル現象

このデジタルとして取り扱えてしまうもの、というのが重要だ。世の中にある概念で価値あるものはデジタルとして置き換えることができるものが多く存在する。特にインターネットサービス事業者が「ストーリー」と呼んでいるものは世の中に存在するすべての価値の源泉ともいえる。

本来人やモノに付帯して付加価値を増大させるものを私は「ストーリー」と捉えている。デジタルが人やモノとストーリーを分離し、ストーリーとしての付加価値をデジタルに吸収できるとするならば、ストーリーはもはや消費材化しているのではないないだろうか。

企業がデジタルの領域を自分たちの領域と認識しなければならない要因はまさにここにある。もはや、他人任せにはできない問題ではないだろうか。だからこそ私は、企業はこのデジタル化された自社が生み出すストーリーを独自にコントロールしていかなければならないと考えるのである。

ソーシャルメディアの動向

ストーリーを巧みに操るために用意されたプラットフォームがあるとするなら、それはソーシャルメディアだ。ストーリーをただの消費材にせず、エンドレスストーリーを作り出すためにも私たちはソーシャルメディアの動向を知らなければならない。最近のソーシャルメディアのトレンドはどのようなものか列挙した。

1.「未来」へと向かうソーシャルメディア

未来という時間軸、つまり「欲しい」といった実際の購買へと結びつく欲望がますます重要になってきている。

例)“Want”ボタン を検討中のFacebook
未来の出来事でつながる「Fture.me

2.群雄割拠するC2C型ソーシャルマーケットプレイス

ソーシャルマーケットプレス = “顔が見える”マーケットプレイスという図式が顕著。eBayEtsyBUYMAだけではなく、Gumroadといった簡易マーケットプレイスの登場。

3.新しい切り口からソーシャル・プラットフォーム化するメディアが出現

従来のSNS型のみならず、写真共有や音声通話、チャットなどからソーシャル・プラットフォーム化していくメディアが出現してきた。

LINEPinterestがこれに該当するだろう。

4.「スマホ」によるオフラインシームレス決済手段の現実化

スマホのプラグインを利用したオフライン・クレジットカード決済手段が充実してきている。NFC普及直前にプラグイン型が続々と登場。

PayPal Here
Square
Coiney

5.モバイルネットワークの分散と新しいキャリア決済モデルの可能性

ビッグデータ化とネット利用のダウンサイジング化(スマホ)によるアクセス増加に伴うモバイルネットワークの爆発。旧来キャリアネットワークからWiFiモデルへと移行することにより、キャリア決済のカタチが変わる可能性。

インターネット業界の流動化がいたるところで発生し、新しいビジネスを作り出している一方で既存ビジネスを侵食し、駆逐している様子がイメージできるのではないだろうか。個人的には進化の速度は早ければいいと思っていない。しかしこの流れには抗えないのも事実である。この流れはE2Eを加速させている流れだ。つまり人間視点に対して、如何にエンパワーしていくかがインターネットサービス事業者にとって重要なのである。

企業のマーケティング活動の変化

ここでマーケティング活動の移り変わりを簡単に振り返ってみよう。当初マーケティングにおいて企業は、製品の販売を主な目的としてマスメディア主導型の活動を展開した。企業としてマスマーケティングを考えるとき、Mediaの形状が大きく変わることが無かった。ある種の枠組みが制約条件となっていたからだ。これはメディア自体が独自のマーケティング活動をユーザーとの間で頻繁に行ってこなかったことに寄与する。メディアはこうあるべきがあったからだ。故に企業は固定化されたメディアを通じユーザーに対する企業の「メッセージ」にフォーカスできた。

company_lmedia_marketing

その後、インターネットの普及にそって顧客満足度を高めるための関係構築を経て、いまユーザーどうしが情報を生み価値を共有しあうソーシャルメディア主導型になった。ソーシャルメディアプラットフォームの変化はすさまじい。ソーシャルメディアプラットフォーム自体がユーザーとの対話により、独自のマーケティングを行うことに寄与する。Share、Publicという概念はユーザーとの対話により、ソーシャルメディアプラットフォームが育んできた概念だ。故に企業がソーシャルメディアプラットフォームを通じて、ユーザーにメッセージを送る前にソーシャルメディアとユーザーとの間において何が行われているかを認識していないことには、メッセージの形状が陳腐化してしまう可能性を秘めている。企業からすれば、ユーザーに対するマーケティング以外に、ソーシャルメディアに対するマーケティングおよびソーシャルメディアとユーザーとの間で行われているマーケティングを把握する必要が出てきてしまっている。この流れの中で企業を中心とした視点で全体像を把握することは難しいと言わざるを得ない。

company_socialmedia_marketing

ユーザーに最も近いところにあり、評判が瞬時にして伝播していくソーシャルメディア。企業は「メッセージ」ではなく、「ストーリー」を効果的にユーザーと共有するべく、いまこそマーケティングを人間視点で捉えなおす必要がある。

Actualized Marketingの背景

さて、Actualized Marketingに話を戻そう。
Actualized Marketingを考察した背景として私たちは複数の視点から検討を重ねた。

社会認識からのActualized Marketing

Webマーケティングについて一般論ではソーシャルメディア(Facebook、mixi、Twitter)やその周辺のECサイト、オウンドメディアを対象にして語られるが、それらは企業からの視点による広告主体のマーケティングであることに変わりはない。

Actualized Marketingは人間視点、つまり現代のインターネットサービスのトレンドと同様にE2E(End to End)の本質に基づくものである。先ほど挙げたソーシャルメディアの動向からもわかるとおり、我々個人を支えるプラットフォームはFacebookだけではなく、様々なSNS、コミュニティやプロジェクトチームが生まれている。

ではそこから生み出されてくる新しい価値、もしくは増幅される価値は何か。それは個人が所有する価値、判断している価値はそのコミュニティやプロジェクト同士の差異からその形状を変化させると考えられる。差異とは、独自の工夫から醸し出される面白味のことと定義できるのではないだろうか。

現段階でソーシャルメディアにはソーシャルメディアの分だけ差異がある。たとえば、実名制と匿名制もそれにあたるだろう。多様性なコミュニティが存在し、それぞれに創造性を発揮する機会がある。また、オンラインとオフラインという考え方、ソーシャルとインタレストという考え方にも同様の差異があり、これらがコネクトされることにより新しい価値が生まれる可能性を秘めている。

もちろん単独に構成された要素としての人と人、モノとモノ、サービスとサービスの差異が新しい価値を生み出すことができるが、それを支えるプラットフォームそのもの差異によってもこの新しい価値はさらに大きな変容を遂げることになるのではないか。つまり、価値が存在するところならどこでもActualized Marketingは成り立つのである。

倫理観からのActualized Marketing

Actualized Marketingでは、個人が保有する独自の価値をモバイルバリューと名付けている(詳細は後述)。モバイルバリューは個人が管理するものであるが、一方で社会的価値として使用するものでもある。企業、SNS、コミュニティは、個人の承諾なくしてこの個人のモバイルバリューをコネクトしてはならない。企業、SNS、コミュニティは潜在価値を顕在化させる支援だけが許されていると考えている。

システム工学と精神分析からのActualized Marketing

Actualized Marketingは、システム工学と精神分析の思考に基づいている。これは人間の生活、営みに関する視点であり、価値をつくり出す現実構造の解釈だ。

システムの特徴は人間の願望や意図を実現すべくつくりだされるものであると解釈できる。見えない価値や現象を数値および数式あるいは変化の推移や構造で表現できれば、そこから人間の営みに関する豊かな知見を得ることができる。

「あるシステムがその置かれた環境に対し、目標とか目的とかを通じて形成されている…

システムにたずさわる者は、ものはいかにあるべきか、目標を達成し、機能を果たすためにはいかにあるべきかという問題に取り組んでいる。」 ― ハーバート・A・サイモン

また人間と社会の無意識(潜在的価値)へ注目してみると、欲望における無意識(潜在価値)の顕在化は、人がよりよい現実を迎えるための創造活動である。見えない価値を顕在化して活性化するという方法は優れて精神分析的(因果関係により欲望の仮説を構築できる)な手法と言える。

 「無意識の産物は欲望充足であり、欲望はそこにあらわされてはいるが、いろいろな程度に仮面をつけた姿を呈している。」 ― ジークムント・フロイト

これらの「見える化」こそ流動化し複雑化された現代社会において最も重要視されていることであり、潜在的価値を見える化することができれば私たちはより豊かな社会を迎えることができるはずである。

もちろん、人間は合理的なだけではなく感情的な生きものでもある。だからこそ、表現すべきストーリーを知性や情緒を含めてアプリケーションやコンテンツに反映させる。いま求められているクリエイティブとは、はまさにこれにあたるのではないだろうか。

Actualized Marketingにおける基本思想

Actualized Marketingでは、人間は創造する存在である、と捉えている。創造するということは、イノベーティブであり自由であるということ。

我々の生活の中でソーシャルネットワークがメディアの中心となった今、さまざまな価値がつながることで人間の本質である創造性を発揮できる時代が到来しつつある。にもかかわらず現実には、効率のみを優先したマーケティング活動も多いように見受けられ、それでは人間性を失うばかりである。

Actualized Marketingの思想は効率の追求ではなく効果の追求のための理論と方法なのである。

Mobile Value(モバイルバリュー)について現段階までの考え方

モバイルバリューという言葉はモバイル社会研究所の「モバイルバリュービジネス」から引用している。

http://www.moba-ken.jp/publicity/mvaluebusiness.html

内容は下記の通り。

電子マネー、企業ポイント、仮想通貨… 日本円という絶対的な存在だけではない、様々な交換価値がICTの進展を受けて登場してきています。多彩なバリューが提携ネットワークの中で形を変えながら浮動し、バリューを媒介するツールもICカードやケータイと様々です。
この新しい交換価値を 「モバイルバリュー」と名付け、価値の体系全体を捉え直し、今後の社会の展望を切り拓きます。

モバイルバリューはすでに潜在的に存在している。普段は気にしていないが、おサイフに入っていたり、スマホに入っていたり、そういう状態でのみ人はこの価値を顕在化して捉えている。

例えば、Appleがwebkitを搭載したiPhoneを出したとき、「これからはどんなwebサイトも持ち出せる」と感激したことを今も覚えているだろうか。この現象こそが潜在価値の顕在化と位置付けているポイントである。しかし、これはあくまでも環境そのものの顕在化であり、モバイルバリューとは異なる。

私たちはモバイルバリューはあるオブジェクトに対して、当事者となるユーザーの思考が考慮されることによりその価値を増大させるものだと考える。そういう意味では、編者:社会研究所の「モバイルバリュービジネス」での定義とは少々異なるのかもしれない。

先ほども説明したがサーバーがcloud化し、ネットワーク業界がSoftware-Defined Network (SDN)というコンセプトおよび、それを実現する技術の一つであるOpenFlowに注目している中、環境そのものの潜在価値の顕在化は加速しているのである。インターネットプラットフォームが流動化する中で、E2E(End to End)にシフトし、nodeとなるオブジェクトはモバイルバリューになっていく可能性を感じるのは私だけだろうか。

モバイルバリューの定義は現段階で私の中でもまだ確立されているものではなく、しかしながらその存在を未知な部分も包括した一つのオブジェクトとして捉えたとき、その価値の探求が可能になると考えている。敢えて現在の世の中に存在するものを対象とするならば、ポイント、チケット、クーポン、メンバーなどに該当するだろう。しかし、私が考えるにモバイルバリューの形状はそれだけには留まらない。このモバイルバリューという言葉こそこれからのマーケティング活動にとても重要なモチーフになっていく。

Actualized Marketing Processが誘うMobile ValueからSocial Valueへのシフト

これまでの流れが示すようにモバイルバリューがソーシャルメディアプラットフォームにおいて潜在価値の顕在化を成し遂げ、ついにはその価値そのもののカタチを変容させていくとするならば、モバイルバリューはすでに個人的なものだけに留まることを知らない。

個人とSNS、SNSとSNS、個人と個人の潜在的価値がコネクトされることで元はモバイルバリューだったものがソーシャルバリュー(SocialValue:社会的価値)へと変容していくことになる。このソーシャルバリューとして多くの人から支持されたものが仮に自社の製品やサービスだったとしたら…この素晴らしい現象をマーケティングとして実現できるとしたら…

ソーシャルメディアプラットフォーム上で、すでにいくつものカタチで実現しているソーシャルバリューに対し、企業がマーケティング活動を実践していくことが最も重要な活動になることは間違いない。それこそが最初に述べた自社が生み出すデジタル化したストーリーをユーザーと共有することに他ならない。

 進化するActualized Marketing

ざっくりではあるが、Actualized Marketing概論を説明してきた。ここまで読み進めて頂いた方ならもうお気づきだと思うが、Actualized Marketingは完成されているとはとても言い難いメソッドである。故に私自身でActualized Marketingを実践しながらこのメソッドを検証したいと強く感じている。Hivelocityが現在取り組んでいるプロジェクトはまさにこの考え方に基づいている。少しでも多くの潜在価値を顕在化し、モバイルバリューをソーシャルバリューへとシフトしていくお手伝いができればと考えている。

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Actualized Marketingの詳細はこちら
  1. ソーシャルメディアプラットフォーム上で潜在的価値を顕在化するActualized Marketingとは何か?その1
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  3. これからのマーケティングの最重要キーワードMobileValue(モバイルバリュー)とは?― Actualized Marketing(アクチュアライズドマーケティング) 詳論その1
  4.  SocialValueが社会とマーケティングを変える― Actualized Marketing詳論その2-前編
  5. 未来をひらくSocialValue― Actualized Marketing 詳論その2-後編
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