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未来をひらくSocialValue― Actualized Marketing 詳論その2-後編

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MobileValue(モバイルバリュー)の創発によるSocialValue(ソーシャルバリュー)。ソーシャルネットワークが活性化するほどSocialValueは大きな力を発揮します。

多数の個人のMobileValue(モバイルバリュー)がある目標や目的に向かってひとつになるとき、SocialValue(ソーシャルバリュー)となって大きな力になり、その価値が社会に様々な影響を与えることを前回ご紹介いたしました。引き続きSocialValueをご説明する今回の後編は、SocialValueが創出されるための社会システム、Social Valueと企業活動そしてこれからの可能性についてご説明します。

Social Valueが社会とマーケティングを変える」(前編)

SocialValueをつくりだすシステム

Social Valueは数多くのMobile Valueがひとつになること、つまり個々が集団ネットワークを築くことによって生まれてきます。個人が集団ネットワークをつくるには必ず目的があります。そして、参加した個人はその目的と同一化することで集団ネットワークを運用していきます。この同一化という視点で見ると、集団グループは理念型と同士型に分けることができます。

理念型は、参加した各個人が崇高な理念に同一化して目的を達成しようとする集団です。例えていうと宗教的集団です。

同士型は、参加した各個人がリーダーを対象として全員が同一化し目的に向かって行動する集団です。例えていうと軍事的集団です。

ここで注意していただきたいのは、企業であれ、同好会であれ理念型と同士型の両方が存在するということです。企業でもカリスマリーダーの求心力によりビジネスをしている同士型ブランドもあれば、リーダーの存在よりも社会的理念や貢献のビジョンにもとづいた理念型ブランドもあります。趣味や同好会のネットワークも同じで、これは前回ご説明したとおり、人間が共同体に育まれながら自己を形成し、共同体や育成してくれた人へ同一化しながら成長するという、昔からの生きるかたちがそのようになっているからです*1。

集団ネットワークを構成するということは、ある目的を達成するためシステムを構築するということと同じことです。各々の個人はそれぞれの集団ネットワークというシステム内で目的を達成するためにコミュニケーションを行い、Mobile Valueを交換します。いろんなシステム集団がコミュニケーションを活性化させながら互いに影響を及ぼし合っていく、これが前回ご紹介した創発という現象です*2。

このような集団システムの考え方で見てみると、ソーシャルネットワークは、潜在化している人間の意図と人と人のつながり(ソーシャルグラフ)を顕在化しながら共同で目的を達成するというシステムになっています。Facebookはその最も顕著なサンプルだと言えます。

様々な個性を持った個人がソーシャルプラットフォームに参加して、また新たなソーシャルメディアを生成していく。時間の経過とともに多数のMobile ValueはSocial Valueになり、インターネット空間ではその活動はほぼ無限大に広がることになります。これが新たなSocial Valueを生成する仕組みになっています。

この集団ネットワークのタイプである理念型と同士型は、企業がActualized Marketingを実践する際に重要な切り口になります。これについては再度実践編で解説します。

Social Valueの様々なかたち

Mobile Valueは個人が所有する価値観なので、その名のとおり様々な指向性を持っています。Mobile Valueから生成されるSocial Valueも同様に様々な指向性を持っています。Facebookのように人と人のつながりを顕在化と可視化してコミュニケーションを活性化しメディアのような機能を指向するものから、仕事やプロジェクトを遂行するためのクラウドソーシングのようなSocial Valueもあります。

特にいま話題になっているのはソーシャルファイナンスです。最近話題になったノーベル医学生理学賞を受賞された山中伸弥教授も、雇用が不安定な研究所の職員の給料を稼ぐためにソーシャルファイナンスで寄付を呼びかけていたそうで、ノーベル賞の受賞で目標額をはるかに超えた金額が集まっています*3。

この山中伸弥教授のソーシャルファイナンスでの呼びかけは、コンテンツや評判形成という視点から見ても、とても興味深いところがあります。それは単に寄付を呼びかけるのではなく、iPS細胞の研究に邁進している先生がマラソンで完走するので寄付をしてくれと宣言したことです。これは、日本人の琴線に触れる『願掛け』のセンスです。これについてはActualized Marketing実践編のクリエイティブの項目のところで再度考察したいと思っています。

既にたくさんのSocial Valueが機能していますが、このようなSocial Valueを生みだすSNSやブログなどさまざまなソーシャルメディアは、個人や企業を支える存在になっているので、もはや水や電気と同じインフラの領域に達していると言っても過言ではないでしょう。そうです、単なる広告宣伝用のメディアではないのです。

SocialValueと企業

では、ソーシャルメディアを活用したい企業は、どのようにSocial Valueと関われば良いのでしょうか。先程もご説明したとおりソーシャルメディアやソーシャルネットワークは個人(Mobile Value)にとっても、集団ネットワーク(Social Value)にとっても、既にインフラになっています。単なる宣伝ツールとしてとらえると有効なビジネス活動はできません。

本質的に企業活動は、顧客に「価値提案」をすることにあります。そして価値提案をするには、あらゆるバリューチェーンを動員しなければなりません。そのバリューチェーンのプロセスにおいてソーシャルメディアとソーシャルネットワークとの関係を構築し独自の「価値提案」をより強化させる必要があります*4。

バリューチェーンというと大組織の大企業にしかあてはまらないとお考えの方もいらっしゃるかもしれませんが、いまはファブレス化している大企業もあり、前回ご説明したとおり雑貨業界で成功している個人や企業もこのバリューチェーンのプロセスに忠実にビジネスをしています。商品やサービスを創造しているかぎり規模の大小に関係なく、どの企業にもこのプロセスはあてはまります。

研究開発からアフターサービスまで、価値提案までのプロセスの中で、どのようにソーシャルネットワークやソーシャルメディアとの関係を作っていくか、それがその企業の独自性や強みとなって、他社との差別化を実現できることになります。

ソーシャルバリューの可能性

FacebookなどのSNSが生まれる前から、実際のビジネスにリアルなソーシャルネットワークをいかしていた企業があります。それは、ソニーです。世界最小のトランジスタラジオをはじめ、画期的な製品を作られた盛田昭夫社長は「モルモットであれ」と発言されていました*5。

つまり、新しい製品が開発されたらドンドン市場にチャレンジしていく、そしてお客様の声を素早く反映していく。このスタイルに当時のファンはソニー製品が出るたびにイノベータとしてこぞって試用しソニーにフィードバックする文化を作っていました。いまの言葉で表現するとβ版カルチャーです。

ビジネスに必要なスタイルはいつまでも変わりません、でも環境やインフラはまったく違っています。いまは、ソーシャルネットワークとソーシャルメディアの環境が整っているので、どの企業でもソニーのような実践が実現できるようになっています。単にマーケティングと営業のためだけにソーシャルメディアを利用するのではなく、みずからのビジネスに相応しいプロセスで活用していく、それがActualized Marketingなのです。

このようにソーシャルメディアを活用するということはマス広告を打ちましょうということとはまったく違う次元のお話で、個人経営や中小企業や大企業に関係なく、すべてのビジネスに関わることなのです。決してゼロサム価格競争でコストダウンのためのマーケティングではなく、独自の優れた価値でお客様の生活をより良くするためのプラスサムの活動を目指すことがActualized Marketingの基本的な考え方なのです。

Connect a Value and Make a Liberty!

*1「集団心理学と自我分析」ジークムント・フロイト著

*2「オートポイエーシス論入門」山下和也著、「システム現象学」河本英夫著

*3「ジャスト・ギビング・ジャパン

*4「マイケル・ポーターの競争戦略」ジョアン・マグレッタ著

*5「Sony History

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