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KDDI、独自の経済圏を作り出す「au Wallet構想」を発表

KDDIはリアルとネットを横断するO2O戦略、「au Wallet構想」を発表しました。このサービスは、2014年5月からの提供が予定されています。

au Walletの構想とは?

au Wallet構想は、大きく3つの要素があります。

  • 決済機能
  • ポイント機能
  • ビッグデータに基づいたレコメンド

それぞれの機能について、見ていきます。

決済機能

通常のオンライン決済と、オンライン決済のアカウントに紐付いた電子マネーカードによるオフライン決済を実現しています。

Master Cardプリペイド決済システムを用いているため、Master Card加盟店であれば、日本・国外を問わず利用できるようです。決済サービスは新しく導入する費用が高額である場合が多いですが、すでに利用されている決済システムを利用することで、ローンチ直後から多くの場所で利用することができます。このサービスを、KDDIの田中孝司氏は説明会の中で「クレジットカードじゃないMaster Card、そんな感じ」と例えていますが、言い得て妙です。

また、WebMoneyの決済システム・残高管理サービスも採用されています。

「電子マネー」をチャージは、auかんたん決済や、auショップで行えるようになるそうです。このマネーの管理はau IDから行えるようになっており、チャージや残高確認を手軽に行えるようにするとしています。

ポイント機能

au IDのポイントは今回の構想に合わせて「au WALLET ポイントプログラム」に刷新されており、au Walletで決済したり、通常の携帯電話の利用によってポイントがたまる仕組みとなっていて、特約店であれば通常よりも多いポイント還元を受けることができます。ここで得たポイントは毎月の携帯電話の利用料金の支払いに当てることができる他、au IDのポイントを電子マネーとしてチャージすることも可能で、実店舗での支払いにも使えます。

電子マネーであり、ポイントカードでもある点について、田中氏は「おそらく世界初ではないか」と語っています。

ポイントカードはPonta、Tカード、ヨドバシポイントカードなど、あげればキリがありません。利用者は店舗ごとに、これらのポイントカードを提示しなければならず、非常に手間がかかっていました。しかしau Walletは、全てのポイントを一箇所にまとめることができ、無駄のない使い方ができるようになっています。

また、TカードはTカードの加盟店のみ、ヨドバシポイントカードはヨドバシカメラのみといった制限がありますが、au WalletのポイントはMaster Card加盟店であればどこでも利用することができますので、非常に広い範囲で使えます。参考までに、Master Cardの国内加盟店数は2009年の段階で280万店と言われています。Tカードの提携店数が5万8千なので、約48倍にのぼります。

ビッグデータに基づいたレコメンド

au Walletから得られたデータを分析し、希望者に向けて位置情報や購買情報、日時といったTPOに合わせたお得な店の情報が提供されるようになります。

サービスに登録したことで“無差別”に情報が送りつけるのではなく、情報が欲しい人へレコメンドすることによってユーザーからの評価を高めたい意図からでしょう。

au Walletという経済圏

au Walletは管理やレコメンド情報を受取るためのアプリの提供が予定されています。このアプリを通じ、オフラインとオンラインを結びつけた、いわば「au Wallet経済圏」を作りたい、と田中氏は囲み取材で答えています。

例えば、リアルで買い物を行って、貯まったポイントでデジタルコンテンツを買うというような、リアルとネットが結びついた世界のように。田中氏はこれを実現し、ユーザーのリアルとネットを結びつけた経済圏を作り出すことによって、2016年までに1兆円規模の市場を作り出す、と目標を述べています。

現状でau IDを持っている人が1700万人おり、まずはその層に向けて利用のアプローチをかけ、早期にユーザーを増やしたいとしています。

ちなみにMaster Card加盟店であれば基本的にどこでも利用できますが、中間手数料が発生する一方で、au Walletの特約店であれば中間手数料は発生しないようです。ただ、特約店になっても、au Walletの特約店という、ポイントが多くもらえるというユーザー側のメリットはあるものの、店舗はあくまで「au Wallet特約店のひとつ」と見られてしまいます。アプリを通じたクーポン提供など、導入店舗が気にする“顧客の利用を促進する施策”を考える必要があるでしょう。

最後に

おサイフケータイや、docomoが提供するiDは携帯電話を基調としたオフライン決済サービスですが、au Walletは電子マネーカードで行うものです。この電子マネーカードにした理由は、日本人の、特に若者は携帯電話とカードを別に持ちたいと思っている、といった理由があるそうです。

あえてオンラインとオフラインの決済手段を切り分けたことで、吉と出るのか、凶と出るのか。au Wallet構想が、今後どのような展開を行っていくのか、注目していきます。

参考:

  • リアル店舗でも「au ID」で支払い、「au WALLET構想」(ケータイ Watch)
  • KDDIの新戦略“au WALLET”の狙いを読み解く(週アス PLUS)

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