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中国人民銀行、スマートフォンを利用したモバイル決済の利用限度額を定めることを検討

中国人民銀行は3月24日、スマートフォンを使った決済サービスの利用限度額を設ける方針を明らかにした、とWall Street Journalが報じました。

WSJの報道によれば、事業リスクを抑制するために限度額を設定したとのこと。中国人民銀行は草案を既にまとまっていて、企業や消費者の意見をもとに変更を加えると述べています。

中国のスマートフォンを使った決済サービスを提供する代表的な企業として、テンセントとアリババがあります。その中でも利用するユーザーが多い決済方法に、QRコードを使ったモバイル決済がありました。中国人民銀行は、その決済方法にセキュリティ上の懸念があるとして、今月14日に停止するよう通達を出しています。特にアリババはアメリカでのIPOを控えており、難しいタイミングで規制を受けることになります。

中国人民銀行が今年発表したデータによれば、中国のモバイル決済市場は前年比317.56%増の9兆6400億元に達し、日本円に換算すると約160兆円になります。取引件数は16億7000万件と、こちらも212.86%上昇しています。

そのうち、アリババグループの決済会社アリペイのモバイル決済は1億人が使用し、総額で15兆円にのぼり、市場の1割を占めようとしています。また、3億5500万人のアクティブユーザーを抱えるテンセントのWeChatモバイル決済とECを開始しました。これによって中国のモバイル決済市場はさらに拡大すると見込まれていたところへ、どのような影響があるのか気になります。

ちなみにガートナーが予測した2013年のモバイル決済の総額は約24兆円(世界の総額)とあるので、その額を大きく上回っており、思わず誤植を疑ってしまいました。多くのテック系メディアが報じており、その後の修正も見られないため、どうやら事実のようです。

最後に

中国のオンライン決済の規制の話は見ていましたが、今回の規制は過剰であればモバイル決済市場が萎縮しかねません。アリババ創業者の馬雲(ジャック・マー)氏はWeChatへ「市場での成功を決めるのは、独占企業や力を持った人々ではなく、消費者であるべきだ」(翻訳文をWSJより引用)と投稿して反発しています。元々、中国は国営企業が強く、オンライン決済も同様でしたが、テンセントやアリババによって、そのシェアは大きく民間に移動しました。そこへきて規制が強化された点を馬雲氏が指摘したものと考えられます。

今回のモバイル決済規制は、どの程度のものになるのでしょうか? 中国と世界のモバイル決済の動向を引き続き注視していきます。

(Photo: Chinese Bank of China by epSos.de)

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