インバウンドに限らず、あらゆるマーケティングにおいて企業と顧客にある信頼関係は重要です。そういった“信頼関係”を作ることも、マーケティングのひとつの側面と言えるでしょう。
信頼関係を築く方法は様々あると思いますが、今回はテレビやスマートフォン、パソコンなどのECを行っているLOGICBUYの一例を紹介します。
顧客に知識を与える
LOGICBUYは、あるインフォグラフィックを公開しました。そのタイトルは『SMARTPHONES DECODED: MOST USELESS SMARTPHONE SPEC』というものです。日本語訳すると『スマートフォンを読み解く:最も使えないスマートフォンのスペックとは?』となるでしょうか。ともすれば販売している一部の商品を批判することにもなりかねません。
しかし、グレン・アーバン著の『アドボカシー・マーケティング』には次のように書かれています。
顧客は、自分にとって最高の商品を選ぶために、公平なアドバイスと完全な情報を必要としている。顧客にとっての「最高の商品」が、メーカーに最大の利益をもたらすとは限らない。それはむしろ、親友が薦めてくれるような製品でなくてはならないのだ。
つまり、企業が提示するべきは“自社製品のメリット”ではなく、“自社製品のメリット・デメリット”両方であるべきだということです。隠し立てせず、素直に、顧客へアドバイスをすることが信頼につながります。
この論点で考えると、LOGICBUYが公開した“使えない”スマートフォンのインフォグラフィックは、顧客に「こんなスマートフォンは買わない方がいいよ」という知識を与えています。さらに、スマートフォンを買うときにポイントも抑えていますので、まさに“良き友人”と呼べるような立ち位置からのアドバイスと言えるでしょう。
インフォグラフィックによるアドバイスも、簡潔で分かりやすく、具体的な内容となっています(日本でもスマートフォンを買うときの判断基準にできると思いますよ)。
スマートフォンの最新機種は怒濤の勢いで出ていますので、混乱している方も多いでしょう。しかし、こうした判断基準を示してくれることで、顧客はより良い製品を購入しやすくなります。信頼関係が生んだ購入行動と呼べるのではないでしょうか。
(Photo: 愛 信頼 愛情 コミュニティ チーム 影 一緒に 関係 パートナーシップ 心 休日 砂 by Lavazza_Jenny)