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懸賞だけじゃない!? Facebookのポリシー変更で出来なくなるキャンペーン

先日、Facebook Developersにて、Graph API v2.1へのアップデートとプラットフォームポリシーの改訂が伝えられました。

このアップデートでFacebookキャンペーンが難しくなったと言われています。では、なぜ難しくなったのでしょうか?プライバシーポリシーの改訂と合わせて読み解いてみましょう。

Facebook Developersとプラットフォームポリシーを読んでみる

まずは大本となったFacebook Developersのブログと、プラットフォームポリシーの内容を読んでみましょう。

Facebook Developers

ソーシャルプラグインやページで「いいね!」することにインセンティブを与えてはなりません。ここには「いいね!」することで報酬を提供したり、ページへ「いいね!」しているかでアプリの内容や導線を変えることも含まれます。Facebookを利用したアプリへのログイン、場所へのチェックインによるプロモーション参加等は今後も利用することができます。人とページの繋がりに高い質を確保し、本来、ビジネスを行う上でリーチしたいユーザーを見つけることを支援するためにも、疑似餌のようなインセンティブから得た人々ではなく、ページの情報を継続的に受け取ることを望んだ人にファンとなって欲しいと望んでいます。私達はこのアップデートが、人々と広告主のみなさんにとって、利益になるものと信じています。

「いいね!」することで報酬を提供したり、表示するコンテンツを変えてはならない。要は「アプリを介して「いいね!」集めるのやめろよ!」ということなのですが、この一文にしてはいけないことが集約されています。ここから禁止されることを想定してみましょう。

  • Case1. 「いいね!」することで参加できる懸賞アプリなど

各所で話題になっているのはこれです。一部サービスが終了をアナウンスするなど、恐らく一番大きな影響が出ているのではないでしょうか。多くの懸賞アプリはページへの「いいね!」を参加の条件としていました。これはFacebookの言うインセンティブに当たるため、出来なくなります。

これと同様に「いいね!」することでクーポンが貰えるといったキャンペーンアプリなども禁止されました。

  • Case2. ファンゲート

「いいね!」を押した人限定でコンテンツを見せる仕組みをファンゲートと呼びます。例えば「いいね!を押した人にだけ特別な資料を〜」や「ファン限定にノウハウを公開! 右上のいいね!を押してください」のようなページがあげられます。

ファンゲートはブログ内で言及があったわけではありませんが、FacebookのプロダクトマネージャーであるSimon Cross氏が、コメントで禁止だと述べました。

Q. タブページを使ってファンゲート(英語ではLike-gate, Like-gating)をできなくなるのか?

A. イエス、ファンゲートはポリシーで禁止されました。今日(8月8日)以降に作られたアプリは、「signed_request」は全て「いいね!」で返されます。また、90日後(11月5日)は全てのアプリにこれが適用されます。

要約すると「ファンゲート的なタブページがあってもいいね!押さなくても見られちゃうよ!」ということです。ポリシー上でファンゲートは禁止され、機能的にも体をなさなくなります。この変更をポジティブに考えれば、用意したコンテンツを先に提供し、「こんな情報をニュースフィードで受け取りたいなら… いいね!」のように見せることで、質の高いファンを獲得できる導線に変えられるのではないでしょうか。

プラットフォームポリシー

ブログから以上の2点を読み取ることができました。他に禁止事項があるのでしょうか? プラットフォームポリシーで確認してみましょう。

アプリへのログイン、アプリのFacebookページへ「いいね!」、アプリページのプロモーションに参加する、チェックインにのみインセンティブを提供できる。それ以外のアクションへインセンティブを与えてはならない。2014年11月5日以降はアプリのページへ「いいね!」を押すことでインセンティブを与えることはできない。

少し整理します。

まず、Developersブログで禁止と言われた事項は2014年11月4日以前まで行うことができます。ただし、現在は新規にファンゲートを作っても「いいね!」しなければコンテンツを見れないという手法が使えません

しかし重要なのは、2014年11月5日以降、インセンティブを提供できるようにする方法はアプリへのログイン、アプリページのプロモーションに参加する、チェックインの3つだけになる点だと思います。原文には「Only incentivize a person to log into your app (中略) Don’t incentivize other actions.」とあり、前半はインセンティブを与えてよい行動を示し、後半はそれ以外へのインセンティブ提供を禁じる文言となっています。

Developersブログの考察は禁止される行為だったので、こちらではOKな行為を考察してみましょう。

  • Case1. アプリログイン時の報酬

主にソーシャルゲームで用いられる手法ですが、ログイン時のデイリーボーナスとしてアイテムを提供することはOKだと考えられます。

また、先ほどのSimon Cross氏はブログコメントで、アプリへの友人招待に対するインセンティブについて、次のように答えています。

Q. アプリに友人を招待することにインセンティブを与えてもいいのか?

A. ユーザーが友人を招待し、友人がアプリにログインした段階でインセンティブを提供するのは可能です。友人を招待した時点でインセンティブを与えることはできません。

Simon Cross氏は詳しくはプラットフォームポリシーの4.5(先ほど翻訳した部分です)を参考するようにとリンクを貼っています。ちなみにポリシー該当項目には、インセンティブを与える例を示した画像があります。

facebook-can-incentivize

  • Facebookでシェアして、動画をフルで見よう!:×
  • 友達を10人招待して、無料で50ポイントもらおう!:×
  • 友達を10人招待して、使い始めた友達と一緒に無料で50ポイントをゲットしよう!:◯

アクション自体にインセンティブを与えることはできませんが、アクションの結果にインセンティブを提供できることがあると解釈できます。インプレッションベースから成果報酬に変わったと考えれば分かりやすいですね。(=上の画像は友達を招待し、ログインしてくれた結果に対してインセンティブを提供している)

  • Case2. 来店者にクーポン提供

リアル店舗へ訪れた方に対し「Facebookでチェックインするとソフトドリンク1杯無料!」というように、チェックインすることへインセンティブを与えることが可能です。

「いいね!をした方へクーポンプレゼント!」という形のプロモーションもありましたが、こちらは禁止されました。ただクーポンをもらうより、実際に訪れた人に向けてサービスを行う方が口コミ効果も狙えるので効果は高まると思います。

  • Case3. ファンしか望まない懸賞キャンペーン

アプリによる懸賞自体が禁止されたわけではないので、一つの手として使うことは不可能ではありません。しかし、「いいね!」不要で参加できることが大前提のため、今までのような効果は得ることはできなくなります。

逆に考えれば、この前提を利用し、「ファンしか望まないもの」を提供するキャンペーンを作ることで、ファンとのエンゲージメントを高める応用ができます。例えばLIGがStoresで開いた段田商店なんかは、その最たるものでしょう。LIGの段田さんの私物を売るという「ファンしかいらねーよ!(褒めてます)」的なお店を開くことで、ファンからは面白い!と思われたでしょうし、口コミによって知名度を得られたと考えられます。特に個人が立っているページは、こうしたキャンペーンでエンゲージメントを高めやすいはずです。

最後に

今回の内容はキャンペーンを用いて無差別に「いいね!」を集めることは出来なくなったというのが、最も大きな点です。懸賞キャンペーンなどを行って景品の代わりに「いいね!」を獲得する方法は、今まで頻繁に行われてきたものですが、見直さなければいけないタイミングがきました。

基本的にこの方針はFacebookが今までアップデートしたニュースフィードアルゴリズムと同じです。

キャンペーンの代わりとしてFacebook広告の利用が考えられますが、Facebookは投稿自体をコンテンツと見なし、ニュースフィードへの表示をアルゴリズムで選定しています。内容の薄いページへ見出しだけで誘導するクリックベイトや、画像だけで安易に「いいね!」を集めるミームは効果が上がりにくいので、使わない方がよいでしょう。

そして何より、数よりも質を重視する時代になったということを意識する必要があります。Facebookが言う、あなたの情報を継続して受け取りたいと考えるファンを獲得するためには、何よりユーザーの役に立つコンテンツが重要なのです。コンテンツの戦略はFacebookだけでは不十分なことが多いのでウェブマーケティングそのものを、このアップデートを機にして見直しを行う必要があるかもしれませんね。

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