イチから始める競合相手のコンテンツ分析

ウェブマーケティングにおいてコンテンツとは、認知を得たり、好感を抱かれる、将来の顧客を獲得するための資産です。コンテンツマーケティングは、コンテンツ資産を積極的に形成し、適切に運用するマーケティングの考え方と言えます。

これからコンテンツマーケティングを展開する、あるいは展開しているのに思ったような効果が出ないというときは、自分のコンテンツの価値を高める努力を行うとともに、必ず競合相手のコンテンツを分析しましょう。

コンテンツマーケティングの基本は、自分がターゲットとするペルソナへ、価値があるコンテンツを提供することにあります。価値があるコンテンツは人によって考え方が異なりますが、私は閲覧したときに問題を解決できる力こそコンテンツの価値だと考えています。だからこそ、コンテンツの価値を高めることが重要であり、差別化のために競合相手のコンテンツを知ることが必要なのです。

コンテンツ分析を行うにあたっては、あなたが普段の業務で競合相手として見ている企業よりも、あなたがターゲットとするペルソナ・キーワードに強い企業の方が重要です。攻略したいキーワードで検索し、上位に出てくるページを対象とする、あるいはGoogle Chromeの拡張機能「Google Similar Pages」を導入してあなたのページ上で使う、SimilarSitesであなたのページを調べるといった方法があります。こうした方法で見つけた企業をベンチマークとして、コンテンツ分析を行いましょう。

どのようなコンテンツ資産を持っているか?

1. コンテンツの構造を知る

まず、競合となる企業のウェブサイトに構造上、どのようなコンテンツ資産があるのかを知りましょう。

ウェブサイトにあるコンテンツの構造を一番効率良く知る方法は、グローバルナビを見ることです。ウェブサイトの多くはグローバルナビを用意しており、サイト上にあるほとんどのページにたどり着くことができます。

一般的な企業のウェブサイトで言えばコンテンツ資産を下記のような構造に分類できるでしょう。

  • ニュース
  • プレスリリース
  • よくある質問
  • ブログ
  • 導入事例
  • ライブラリー(ダウンロード可能な資料をまとめたページ)

もちろん、これ以外にもコンテンツ構造を持っている可能性があります。チェック漏れが無いかを防ぐためにフッターにあるナビゲーション、もしあればサイトマップも確認しておきましょう。

2. ブログを複数持っていないか確認する

コンテンツマーケティングにおいてブログは重要なコンテンツ資産のひとつです。コンテンツマーケティングを行っている企業の中には、目的別に複数のブログを持っている場合があります。

例えば、リスティング広告の運営サービス等を提供する「SOLDOUT社」は、リスティング広告のノウハウを公開する有名ブログ「LISKUL」を運用しています。実はこれだけでなくSOLDOUT社の公式ブログ「s-conv.com」、オンラインユーザーテストのガイドブログも運用しています。リスティング広告を含んだ広告代理店がコンテンツマーケティングを行うなら、LISKULを含む、SOLDOUT社が運営するブログはベンチマークすべきサイトの1つです。

SOLDOUT社はサイトマップに記述がありましたが、サイトマップに記述していない企業もあります。特にサービス別にサイトを展開している企業は、本サイトのサイトマップに記述されていない場合が多いので、あなたの提供するサービスとかけ離れていないものであれば、サービス別のサイトを確認しにいきましょう。

3. リッチコンテンツ

サイトマップだけだと少し分かりにくいですが、eBookやホワイトペーパーのようにダウンロードが可能なリッチコンテンツがないかをよく確認しましょう。多くの場合はブログ下部のCTAやサイドバナーにリンクが貼られており、ウェブサイトの訪問者や購読者を見込顧客に変えるという、マーケティング上で大きな役割を持っています。

多数のリッチコンテンツを有する企業は、1. のライブラリーのように、リッチコンテンツをまとめたページを持っていることがあります(例: HubSpot)。

ここから学ぶべきこと

ここで突き止めたコンテンツ資産は、あなたの考えるコンテンツと競合する可能性があります。

あなたがコンテンツマーケティングの考え方を用いて、業界内に地位を確立するためには、ここで見つけた競合相手との差別化が必要です。それはコンテンツの価値であり、ターゲットとするペルソナであり、コンテンツのキーワードの差別化でもあります。

ここからは差別化をはかるために、競合相手のコンテンツへの理解を深めていきます。

コンテンツの分析

競合相手の持つコンテンツを把握したら、コンテンツの中身の分析に取り掛かります。ただ、この作業は手作業で行う部分が多いので、時間がかかります。ここでは、なるべく効率良く調べる方法をご紹介します。

1. コンテンツの公開頻度

競合となる企業はコンテンツをどのくらいの頻度で公開しているでしょうか。ブログであれば週に1回、あるいはeBookを2ヶ月に1回のペーシで公開しているかもしれません。eBookに関してはライブラリーを見るなど、手作業で行う、ということになるでしょう。

一方、ブログやニュースなど、RSSフィードで見られるコンテンツであれば、Feedlyを使えばすぐに分かります。

まず、Feedlyを開いて一番左上にある「Add Content」をクリック。

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次に、検索ボックスへ調べたいウェブサイトのURLを入力します。

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検索結果の「articles/week」と書いてある部分が週の平均公開数です。また、「readers」を確認しておくと、RSSの購読者数が分かり、ブログやウェブサイトの影響度を知ることができます。

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2. コンテンツの数

コンテンツが多いほど、ウェブサイトが将来の顧客に見つけられやすくなります。コンテンツの数量についても、ブログとリッチコンテンツの両方を調べましょう。

ブログの数

ブログの数を調べる上で、私はGoogle検索の「site: 調べたいブログのURL」を参考にしています。これで分かるのはブログの数ではなく、厳密にいえばGoogleにインデックスされている数です。この検索結果に表示されたコンテンツは、Google検索を行ったあなたの将来の顧客の目に触れる可能性があるコンテンツとして理解しておきましょう。ただし、ブログと同じサブドメインやサブディレクトリ下にあるページを全て含んでいるため、あくまで“ブログ全体の数字”として参考程度にするのがよいかと思います。

たとえば、ハイベロシティのブログ(site:hivelocity.co.jp/blogで検索した結果)は約2900件インデックスされていますが、実際に公開している数は1600程度だったりします。これは過去にアップロードした画像が、1ページとしてインデックスされていたことが原因です。

数が少なければブログ本文以外のものがインデックスされていないか調べてみるのもいいですが、あまりにも多い場合は参考程度に捕らえましょう。

リッチコンテンツの数

リッチコンテンツは1. で書いたように、訪問者を見込顧客に変えるキーアイテムです。リッチコンテンツの豊富さも、相手のコンテンツを分析する上での重要なファクターと言えます。

その理由を、HubSpot社を例に見てみましょう。HubSpot社は自社のマーケティングソフトウェアを販売する上で、まずインバウンドマーケティングのメソッドを知ってもらうことが重要だと考えています。そのために、インバウンドマーケティングに関する知識をブログで発信し、ウェブサイトへの訪問者を獲得しています。その訪問者へブログと関連するリッチコンテンツを提示し、興味をもった訪問者は連絡先を送る代わりにリッチコンテンツをダウンロードします。この過程を経て、訪問者が見込顧客にコンバージョンするわけです。

訪問者がコンバージョンする段階をもう少し細かく見ていきます。コンテンツ戦略の作り方を知るために検索を行い、HubSpotのブログに辿り着いた人がいたとしましょう。そのブログ内で提示するリッチコンテンツとして『キーワード戦略の立て方』と『ウェブサイトの再構築戦略』は、どちらの方が興味を引きやすいでしょうか。多くの人は前者を選ぶと思います。逆に、優れたサイトデザインをまとめたブログであれば、後者の方が興味を引き、ダウンロードされやすいでしょう。このように、ブログと関連性の高いリッチコンテンツほど、ダウンロードされやすく(≒コンバージョン率が高い)なります。

ゆえに、リッチコンテンツの数だけ多様なニーズに答えられ、ウェブサイト経由で見込顧客を獲得できる体制を持っている、と言えるのです。

3. コンテンツ資産の価値

更新頻度と数を把握したら、コンテンツ資産の価値を見てみましょう。端から端まで確かめるのが理想ですが、恐らく多くの場合で難しいはずです。そんなときは、キーワードの競合となるコンテンツ、サイト上で人気のあるコンテンツ、ソーシャルメディア上で人気のあるコンテンツをピックアップし、的を絞って確認しましょう。

確認する上で、いくつかチェックポイントを作ると分析がしやすくなります。

  • 内容は正確か?
  • コンテンツのターゲットは、どのレベルにいるか?(初級者、業界人など)
  • コンテンツの雰囲気はどうか?(堅い、柔らかい、フレンドリーなど)
  • コンテンツはタイトルに掲げたことや、問題提起したことを解決しているか?
  • コンテンツはインターネット上で見るものとして見やすくなっているか?(見出し、箇条書きなど)
  • コンテンツにはCall to Acitonがあるか?(リッチコンテンツへの誘導など)
  • そのコンテンツを書いた人は?(業界の有名人、社員、ゲストライターなど)
ソーシャルメディア上で人気のあるコンテンツの調べ方

ソーシャルメディア上で人気のあるコンテンツを調べるには、実際にソーシャルメディアで検索を行う、サードパーティのツールを使うという2つの方法があります。

ソーシャルメディアで検索を行う場合は、Twitterとはてなブックマークを対象にしましょう。

1. Twitter

Twitterで検索を行うには、Twitterにログインしたあと、右上の検索ボックスにウェブサイトのURLを入力します。

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すぐに結果画面が表示されます。ここで表示された結果は時系列順に並んでいるため、サイト内のコンテンツの中でもリアルタイムで人気のあるものを特定するのに役立ちます。過去1週間分ほど遡り、その中でもツイートが多かったものをピックアップしましょう。

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2. はてなブックマーク

はてなブックマークは、ログインしなくても検索が行えます。右上に表示される検索ボックスにウェブサイトのURLを入力します。

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検索結果が表示されますが、新着順に並んでいるので、人気順に切り替えます。

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ブックマークが付けられた数が多い順番に並びます。全体数にもよりますが、私の感覚で言えば10USERSを超えたものは人気のあるコンテンツと言えますので、その数を目安に調べてみましょう。

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3. サードパーティ

サードパーティのツールを使えば、複数のSNSを横断してシェア回数を知ることができます。いくつかのツールが提供されていますが、私はBuzzSumoが一番好みです。

BuzzSumoは無料だと制限がかかりますが、簡単な調査に用いる程度なら問題ありません。また、2週間の無料期間が設けられているので、試してみるのもいいでしょう。

まずは検索ボックスにURLを入れます。

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結果画面ではFacebook、LinkedIn、Twitter、Pinterest、Google+の各シェア数、それらの合計が表示されます。

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基本的には合計を注視すればよいですが、どこか1つの数字が飛び抜けていれば、そのソーシャルメディアで人気のあるコンテンツの傾向を掴める可能性があります。あるいは、そのジャンルにおいてのインフルエンサーがシェアしたのかもしれません。

ソーシャルメディア上で人気のあるコンテンツを調べるにあたっては、その理由を合わせて分析すれば、あなたのソーシャルメディアの運営に役立つ情報を得られますので、ぜひ行ってください。

ここから学ぶべきこと

あなたの競合相手は、価値の高いコンテンツを豊富に持っていたでしょうか。もし、競合相手がそのようなコンテンツを豊富に持っていたとしたら、あなたは分析するなかで多くのことを学び、コンテンツの作成にいかせるでしょう。

また、正面からぶつかることはせず、違った角度から攻めるというのも手です。たとえば、競合ページが良いブログをたくさん持っているとしたら、あなたはインフォグラフィックや動画などビジュアルを生かしたコンテンツを多く作っていくという戦法を取れば差別化を図れます。

コンテンツの価値が低いとすれば、あなたは同じ轍を踏まないようにしながらコンテンツ作成を進行しましょう。

最後に

あなたの競合相手の強みは見つかったでしょうか。

既にコンテンツマーケティングを行っているなら向こうの方が優っている理由、これから行おうとしているなら現在の戦略で対抗できるかの見通しなど、さまざまな知見を得られるはずです。

もちろん、コンテンツが注目される理由はコンテンツの価値だけでなく、ウェブサイトのSEOソーシャルメディアの運用など、他の要素も絡んできます。しかし、あなたの競合相手がどのようなコンテンツを作っているのかを知り、それを自分自身のコンテンツに反映していけば、あなたのコンテンツマーケティングは成功へ一歩ずつ近づいていきます。

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(Photo: cover: Nancy Drew–The Secret of the Old Clock * Carolyn Keene by Carla216)