ARアプリ作れる?

無茶ぶりは突然やってきます。

その日も
ご好意にして頂いているクライアント様からお呼びがかかり
事務所へお伺いすると、
開口一番
「一ヶ月後にイベントがあるから、そこでAR(拡張現実)のアプリをやりたい、以上!」

あまりの勢いに圧倒され、その後に述べられた詳細情報に関しても上の空状態となり
「一先ず検討します」とだけ返答して帰社しました。
そして早速社内エンジニアに相談しつつ悶絶することに。

ひとしきり悶絶を終えたものの
このままでは誰も幸せにならないと思い
一旦状況整理のため色々リサーチを行いました。

ARとは?

wikipedeia先生によると

拡張現実(かくちょうげんじつ、: Augmented RealityAR)とは、人が知覚する現実環境をコンピュータにより拡張する技術、およびコンピュータにより拡張された現実環境そのものを指す言葉。

英語の Augmented Reality の日本語訳であるため、それを日本語発音した「オーグメンテッド・リアリティ」や省略形のARも用いられる。また、拡張現実感(-かん)、強化現実(きょうかげんじつ)、増強現実(ぞうきょうげんじつ)とも言う。似た言葉に複合現実(MR)がある。

フムフム。

ARの種類は?

色々なサイトなどを参考にさせて頂いた結果大きく3つのタイプがあることが分かりました。

GPSタイプ

「セカイカメラ」などのようにGPSを用いて物体を表示させるもの。
※当時のGPS精度では数十メートル程度誤差がでる可能性有りとの情報が出ておりました。
apps_results1_1画像出典元:http://coziest.net/?p=884

マーカータイプ

ARマーカーと呼ばれるもの(QRコードに似たもの)をトリガーとして読み取ることにより
物体を表示させるもの。
※ARマーカーの準備は必要だがそのマーカー自体を販促物の一つとして捉える考え方も。
apps_results1_3画像出典元:http://ascii.jp/elem/000/000/514/514146/

マーカーレスタイプ

ARマーカーを使わずトリガーとなるものを自由に選択して読み取ることにより(予め学習させておく)
物体を表示させるもの。
※個人的には一番興味のある手法だが、開発による難易度が高そうとのイメージが。
apps_results1_2画像出典元:http://ascii.jp/elem/000/000/514/514146/

フムフムなるほどですね。
色々な情報を元にすると、個人的な興味も後押ししてマーカーレスタイプが良いのではと思えてきました。

吉報が

社内の取締役からの吉報情報で
まさにマーカーレス技術を担う「Total immersion」さんとは
多少なりとも縁があり、お付き合いがあるという事実が発覚しました。
そことコラボレーションすれば、ひょっとするとひょっとするかもという期待が膨らみ始めました。

しかし次の瞬間現実に

そうです。
スケジュールです。
iOSアプリの審査には2週間程度かかります。
仮にエンジニアを今から不眠不休でアプリ構築させ
2週間後にアプリ申請。
それでギリギリか・・・
でももしリジェクトされたら・・・・

リスクが高すぎます。
おまけに不眠不休なんて言い出したら社内で暴動が起きます。

方向転換することに

ここで打ち合せ時に上の空状態で聞いた
クライアント様からの声を思い出しました。

・イベントは1日限り
・ARの手法は問わない
・お金もスケジュールもないが、何とか実現できる方法を見いだして欲しい
・クライアント名義のアプリでなくても良い
・どこかとコラボレーションという方法もあるのでは

そうです。
コラボレーションです。

コラボレーションの可能性

早速、コラボレーション出来そうな会社をリサーチすることに。
イベント会場での使用を考慮し
GPSよりはマーカータイプかマーカーレスタイプが適しているのではと
思ってリサーチしていると
2社のサービスが浮かび上がりました。

araraさんのARAPPLI

http://www.arappli.com/service/arappli/
apps_results1_4

「ARAPPLI(アラプリ)」はさまざまなAR(拡張現実)を体験できるARサービスアプリケーションです。
このアプリケーションを通じて、ARのグリーティングメッセージやARによる商品紹介、AR名刺、等、さまざまARサービスが体験出来ます。

本アプリケーションでは、QRコードをトリガーにしてARを構成するコンテンツ(3Dデータ・動画データ)を特定し、
カメラ映像内の特定位置に合成し表示します。

■twitter、facebookの投稿
表示されたARの環境を写真撮影し、twitter、facebookにそのまま投稿することができます。

■オフラインでも表示可能
一度取得したコンテンツはiPhone内に保存されますので、以後はオフライン環境でも表示させることができます。

■ARのコレクション
取得したARコンテンツはコレクションすることができ、特定のコンテンツをすべて集めると、
通常では入手できないスペシャルコンテンツを取得できるようにもなります。

■QRコードリーダー機能
ARコンテンツを表示した後、ジャンプボタンでQRコードに記されたURLのサイトに飛ぶことが出来ます。

■時間・位置情報との連携
位置情報(GPS)や日付/時間により、取得できるコンテンツも変化します。
特定の場所・特定の時間でしか取得できないコンテンツもあります。

【使用方法】
1.配布されているQRAR(QRコードとARマーカーが一緒になったもの)を用意します。
2.「ARAPPLI」を起動し、QRコードを読み込みます。
3.ARコンテンツの取込みが開始されますので、その間にARマーカー(黒い枠)を撮影します。
4.ARコンテンツの取込みが終ると、ARマーカーの位置に3Dコンテンツが表示されます。
5.表示されたコンテンツはコレクションページに保存され、以後はオフラインでも表示させることができます。

KoozytさんのGnG

http://www.koozyt.com/service/gng
apps_results1_5

GnG(ゲットアンドゴー)とは、雑誌や看板、店舗などリアルな物体に表示された CyberCode(2次元コードの一種)をカメラでかざすことにより、対応するGnGコンテンツを取得することのできるAR(Augmented Reality)アプリケーションサービスです。GnGコンテンツとは、CyberCodeを認識したときに表示されるデジタル情報(動画や音声、Web サイト、3D表現など)の組み合わせです。GnGコンテンツは、順次拡大していく予定です。

◆GnGの主な特徴:
・CyberCodeにカメラをかざすだけで対応するGnGコンテンツを取得することができます
・GnGコンテンツは、あたかもリアルな物体からデジタル情報が飛び出してくるかのような体験が得られます
・GnGコンテンツによっては、その場所に連動する情報が得られます
・GnGコンテンツによっては、別のCyberCodeを認識させることで、さらにお得な情報をゲットできるかもしれません

こんな使い方を想定しています。

◆GnGコンテンツの一例:
1. 雑誌、看板などに表示されたCyberCodeにカメラをかざします
2.対応する関連情報(例えば商品情報など)とともに、近くの関連店舗が表示されます
3.関連店舗に行って、そこに表示してある別のCyberCodeをかざします
4.さらにお得な情報がその場でゲットできます!

早速両社に会って詳しい話を聞くことに。
さすがARを売りにしている会社。
打ち合せ時に交換した名刺には当然ARマーカーがついており
その場で名刺を使ってのデモンストレーション。
一気に私の心はワシ掴みにされました。

どちらの会社も親身に相談に乗って頂き
色々な可能性をご提案頂きました。
当然のことながらそれぞれに強みがあり、どちらも魅力は十二分。
ただ、たまたま両社とも当時の得意分野をマーカータイプとしていたため
この時点で「マーカータイプ」での実践が決定しました。

どちらも甲乙つけがたく
両社とも一緒にお仕事してみたいと思いつつ
「出来ることなら違う場所で出会いたかった」と今の境遇を恨めしく思うものの
とは言え目の前の案件を実現させるためにはどちらからに絞る必要があります。

色々な条件などを考慮した結果
ARAPPLIアプリとコラボレーションすることが決定しました。

どうやってコラボレーションするのか?

一言でコラボレーションといっても様々な方法があります。
araraさん自体に関しては「こんな感じで、ひとつヨロシク!」的な
通称「丸振り」にも対応しているようですが
今回は時間もお金もタイトな為、適材適所で行きましょう!という運びになりました。

・コンテンツの企画、仕様作成:ハイベロシティ
・AR化させるためのコンテンツ手配、準備、構築:ハイベロシティ
・ARマーカーシール作成:ハイベロシティ
・AR化実装:araraさん
・検証:両社
・全体的なディレクション:ハイベロシティ

まさに餅は餅屋戦法です。

その結果
「コンテンツをAR化」に成功。
「コンテンツ自体はARAPPLIアプリ内に置かせて頂くこと」に決定。
※つまり一般ユーザーはARAPPLIアプリを各端末へインストールして使用することになります。
※ARAPPLIアプリインストール後、該当ページに遷移すると我々専用のAR表現が体験できる仕組みです。
※アプリの楽しみ方という「How to」情報をイベント配布用に用意します。
iOS
https://itunes.apple.com/jp/app/arappli/id408164307?mt=8&ign-mpt=uo%3D4
Android
https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.co.arara.arappli&feature=search_result
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コラボレーションすると良いこと

スケジュール

餅は餅屋でないですけど、各部署が得意分野を発揮しつつ連携することにより
開発のスケジュール短縮が望めます。

コスト

開発スケジュールが長引けば当然コストに影響します。
もしゼロから構築していた場合、今回の予算では完全に赤字コースとなっていました。

既にリリースしているアプリに乗っかる

アプリ開発をゼロから始めると、それはどんなアプリにせよ骨が折れる作業です。
しかし既にリリースしているアプリに関して言えば、バグFIXも一通り済んでいて
安定した運用が望めます。
また一番大きな所ではiOSへの申請が既に済んでいることです。
リリース済みのARAPPLIアプリ内にコンテンツを配置することにより
2週間程のアプリ申請を行う手間が省けました。
それこそが今回クライアント様の要望を何とか実現出来た大きな要因だと思います。

コラボレーションすると悪いこと

当然良いことだけでなく悪いことも存在します。
それはクライアント様名義でのアプリリリースではないことです。
仮にAR体験が非常に盛り上がり
アプリのインストールがどんどん行われても
ARAPPLIアプリの認知が拡大していくだけです。

とは言え、今回のようにクライアント様自身ご理解頂いている
・イベントは1日限り
・ARの手法は問わない
・お金もスケジュールもないが、何とか実現できる方法を見いだして欲しい
・クライアント名義のアプリでなくても良い
・どこかとコラボレーションという方法もあるのでは
という前提条件があれば特段問題ではありません。
※アプリを用いて認知拡大のプロモーションを行いたい場合この限りではありません。

イベント当日

バタバタ作業の中、何とかイベント当日に間に合わせることが出来ました。
不足の事態がなかったかと言えば、それはそれでありましたが
コラボレーションは何とか実を結びました。

イベント当日には数多のお客様がご来場し、
入り口にて「アプリの楽しみ方How to冊子」と「トリガーとなるシール」を配布。
お客様は
1.アプリをインストール
2.アプリを立ち上げ、How to冊子の手順で該当QRコードを読み取り
3.アプリのスキャン画面にてトリガーとなるシールを読み取り

その結果、
見たことも無いようなマル秘AR表現を体験することに成功しました。

おわりに

出来ない理由を述べることは簡単です。
要望を実現させることは容易いことではありません。
無茶ぶりは突然やってきます。

いかに出来ることへ導けるか。
いかにクライアント様に頼んで良かったと安堵頂けるか。
それが勝負だと思っております。

綺麗ごとになっちゃいますが
アプリを作ることが仕事ではありません。
問題解決こそが私達の仕事と考えております。
「こんな機能あると便利だけど…」 「こんなアプリが欲しい…」 と思う方々、 ぜひご相談ください。
何はともあれ一先ず作ってみましょう。
それから考えましょう。
お問い合わせお待ちしております。
でも本当の無茶ぶりは少し時間頂けると幸いです。

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